「2勝1敗」で十分なんだろうな、とおもう。

プロ野球中日ドラゴンズの監督として、8年間の在任中に4度のリーグ優勝、2007年には53年ぶりの日本一に輝いた落合博満氏。退任後に着任したGM(ゼネラル・マネージャー)としての手腕には賛否両論があったが、それでも監督としての氏の手腕には疑いの余地はない。

 

落合氏が監督を勇退したころ、ドラゴンズの投手コーチとして、また落合監督の「参謀」として、チームの躍進に貢献した森繁和氏とともに、よくテレビ番組にゲスト出演していた。

その際の話として、特に印象に残っているのは「2勝1敗でいい」という話である。

 

半年以上、140試合あまりに渡る長いペナントレースにおいて、優勝ラインとなるのは毎年80~90勝。裏を返すと、50勝以上もの試合に「負けても良い」という計算になる。

シーズンをトータルで考えて、勝つべきときに勝つ、負けてもいいときには負ける、そういったある種の割り切りが重要なのだという。

 

(対照的といわれているのは、長嶋茂雄氏。球場に観戦に来たファンたちのなかには、生まれて初めて、あるいは一生に一度のプロ野球観戦、という人も居るかもしれないから、すべての試合で勝ちに貪欲に、全力を尽くさなければならないのだ、という発想をしていたのだという。

さすが「ミスタープロ野球」だと思わされる限りではあるが、今回は落合氏の思考法を参考事例として採用させて頂くことにする)

 

自分の仕事にも、その発想は活かせるな、と最近、思う。週に5日の勤務日があり、常に10個以上のプロジェクトを同時に担当させて頂く、という環境下において、常時フルスロットルですべてのタスクと向き合う、ということは、理想形ではあるが現実的ではない。本当に自分の心技体を100%出して、それでも足りない、というようなものもあれば、そこそこで「こなせる」という類の仕事もある。

野球とは違って「負け」という表現が正しいのかはわからないけど、すべての局面でパーフェクトな自分を発揮する、ということは、正直無理なのだろうなと思う。

 

すべてがすべてを完璧にこなそうとして、追い込まれて、ストレスがたまって、自滅していく。というくらいなら、3試合に1回くらい負けるくらいが、ちょうどいいのかもしれないな、と。

会社員で言うと、週に5日勤務日があるから、3勝2敗、くらいかな・・・? 勝率6割を、安定的にキープしていけるように、精進していきたいなと思う、今日この頃である。